深呼吸で身体の隅々の細胞までエネルギーで満たすことができます。深呼吸とは言い換えれば腹式呼吸であり、さらには、日本に古来から伝わる「丹田呼吸法」でもあります。丹田とはおへその少し下、体内にあります。
深呼吸は横隔膜の収縮で息を吸い、お腹の筋肉で吐ききります。酸素は血液にのって細胞に運ばれますが、肺の血流は地面に近い方、すなわち下の方が多いです。そのため、丹田で呼吸を行うと、より多くの酸素を血流の多い肺の下の方へ送り込むことができて、換気効率が上がるというわけです。
呼吸は免疫とも深くリンクしています。人の体は、鼻腔の免疫でウイルスや細菌の侵入を防ぎ、肺呼吸と連携した循環で、リンパや水分の流れをよくしています。深呼吸により全身の巡りがよくなるので、自律神経の乱れを改善したり、免疫機能が上がることにつながるのです。
足の裏での立ち方と同様に、呼吸もまた無意識で行うものです。週に1度でも練習しておかないと、ストレスを受けて呼吸は浅くなりがちになるものです。暑い環境では呼吸が深くは入りませんので、快適な室温、落ち着いた環境で練習することで普段の生活につながります。
ヨガでは常に深い呼吸をしながら動きます。手足がポカポカするのは血流がよくなって、酸素が行き渡っているためです。身体が喜んでいる感覚を味わいながら、自分を慈しみましょう。
対して、ピラティスはどうなのかというと、ピラティスもまた呼吸と動きを連動させるものです。ただ深呼吸というよりは、横隔膜や骨盤底筋を鍛えてエネルギーのコントロールをすることに注力します。スタジオではヨガとピラティス、両方のレッスンがありますが、それには意味があります。
ヨガではその呼吸法や動きにより、心と身体の柔軟性を育みます。ピラティスはコア、すなわち身体の芯を鍛えますので、より強い身体の「軸」をつくる効果があります。この2つを合わせると、怪我をしにくくなるだけではなく、よりグラウンディングしたあなた、すなわち強くてしなやかな木のようになるのです。
この精神の軸、身体の軸は両方で作用し、あなた全体としての安定、さらには周囲の人にとっての安定も生まれるのです。